いつでも使える、自分自身でデザインする『自分の取扱説明書』
1989年に深い抑うつと、コントロールの効かない躁状態に悩まされた時期を経て、メアリー・エレン・コープランドがはじめた調査がきっかけ。
120人ほどの人たちへのインタビューの結果から、その過程の中で簡単でとても安全でありながら人生を大きく変える力をもつアイディアや方法を使って生活している人たちがいることを知りました。
WRAPは、精神的な病を抱えつつも元気で生活をしている人たちに共通してみられていた意識の向けどころ「リカバリーのキーコンセプト(リカバリーに大切な5つのこと)」と、「元気に役立つ道具箱(生活の工夫)」をいつでも使えるように、自分自身でデザインする『自分の取扱説明書』です。
当事者のみならず、多くの人々が「自分らしさ」と向き合い始めてます。
2005年頃に日本の北九州に持ち込まれ、当時はアメリカからWRAPファシリテーターをお呼びしていましたが、2012年になると、日本人によるWRAPファシリテーターを養成することができるようになり、日本人のWRAPファシリテーターが全国で活動するようになりました。
近年では、精神的な病を抱える当事者のみならず、精神保健医療福祉の援助職、メンタルヘルスに関心のある多くの人々が『自分らしさ』と向き合い始めています。一人ひとりの経験からの知恵や工夫は、自分自身の生活をより豊かにするとともに、誰かの助けになるかもしれません。
「希望」「自分の責任(主体性)」「学ぶこと」「自分を権利擁護すること」「サポート」の、5つがあります。
人がリカバリーをしている時、人は「希望の感覚」をもっていて、他者や環境に巻き込まれず、刺激に対して反応するための「主体的に選ぶ力」をもっており、自分には「学ぶこと」ができ、成長できるのだと自覚し、「自分の大切を、大切にするために伝える力」をあきらめることなく、他者と「サポート」し合える関係にある時、人は自分自身の人生や生活のなかでの困難なことがあっても、リカバリーのサイクルをまわしていきます。
逆に、自分には力がないと感じ、学ぶことや自分の意志を前に出すことをあきらめ、サポートに手を伸ばすことをためらっている時、リカバリーがうまく進んでいないかもしれません。
自分にとっての、「希望」「自分の責任」「学ぶこと」「自分を権利擁護すること」「サポート」を意識してみましょう。
例えば、こんなものがあります。
あなたにとっての元気に役立つものは何ですか?それをするとどんな気分になりますか?
そして、その道具は、どんな時に使っていますか?
元気に役立つ道具をいつでも使えるようになることで、調子がいいときにも、調子があまり良くない時にも、いつでも<いい感じの自分>に戻りやすくなります。
自分にとっての<いい感じの自分>はどんな自分か、調子が良くない時は、どんな状況が起きているときか、あるいは自分の内側ではどんな変化が起きているのか、調子を崩すきっかけや前兆を自分で見極められるようになると、自分を上手に取り扱えるようになっていくかもしれません。そして、調子が優れず危機的な状況になったとしても、安心できる備えを前もって準備しておけたら、自分の歩みを一歩進めるようになるかもしれません。
Copyright © 2016 beliefplusI Co.,Ltd. All Right Reserved.